予防接種とは

予防接種は、個人の感染症の予防、社会全体の感染症流行を阻止する目的で行われるものです。
予防接種には定期接種と任意接種の2種類があります。

定期接種

予防接種法という法律で定められたワクチンのことです。基本的には、自治体からの助成があるため、無料~数千円程度で接種できます。

任意接種

国がその予防接種をすることを認めているものの、予防接種法には規定されていないワクチンです。基本的に、費用は個人での負担となります。

定期接種で受けるワクチン

現在、成人が定期接種で受けることができるワクチンは、インフルエンザワクチンと、肺炎球菌ワクチンの2種類です。いずれも、高齢者が対象などの条件があります。

インフルエンザウイルスワクチン

インフルエンザワクチンは、「インフルエンザウイルス」によって引き起こされる感染症を予防するワクチンです。

インフルエンザにかかると、38℃以上の急な発熱や、頭痛、関節痛、筋肉痛、倦怠感などの全身症状が強く現れ、咳やのどの痛み、鼻水などの呼吸器疾患なども現れることがあります。

また、インフルエンザは合併症にも注意が必要で、特に高齢の方や基礎疾患をお持ちの方、妊娠中の方や乳幼児がインフルエンザにかかると、気管支炎や肺炎、インフルエンザ脳炎などを併発し、最悪の場合は死に至る事もあります。

インフルエンザが流行すると、早く予防接種をしたいと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、予防接種の効果期間は約5ヶ月と言われています。
したがって、流行のピークを迎える1月~2月に予防効果を発揮させるには、11月頃から接種するのが望ましいです。

予防接種はなるべくこの期間に行い、日常生活の中で、手洗い・うがいをしっかり行い、バランスの良い食事や睡眠をちゃんととるなどして、免疫力が高まるように健康管理をして、インフルエンザを予防しましょう。

肺炎球菌ワクチン

肺炎球菌ワクチンは、「肺炎球菌」によって引き起こされる感染症を予防するためのワクチンです。肺炎球菌以外の原因による肺炎に対しては、残念ながら予防効果はありません。

肺炎の原因となる微生物は細菌やウイルスなどたくさんの種類があります。
しかし、肺炎球菌は、高齢の方や体力が落ちている時、免疫力が弱くなると発症しやすくなります。 高齢の方ほど重症な肺炎を起こすこともあり、ワクチンによる予防が望まれています。

このワクチンは、高齢(特に65歳以上)の方、心臓や呼吸器に慢性疾患のある方、腎不全・肝機能障害・糖尿病の方や脾臓摘出などで脾機能不全のある方などが対象です。

有効率は約60~80%で、その効果は人によって異なりますが、約5年間継続すると言われています。

予防接種による副反応

ワクチン接種から2日以内に、注射部位の疼痛、発赤、発熱、発疹等が起こることがあります。その場合は、医師にお申し付けください。