睡眠時無呼吸症候群とは
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、大きないびきとともに、睡眠時に呼吸が止まり、それが原因で日常の生活に様々な障害を引き起こす疾患です。
一般的に、10秒以上呼吸が止まる「無呼吸」や、呼吸が弱くなる「低呼吸」が、1時間あたり5回以上繰り返される状態をいいます。
いびきの原因
いびきは、眠っている時に空気の通り道(気道)が狭くなり、空気が通る時に咽頭が振動することにより生じるのです。つまり、気道が狭くなっているから“いびき”をかくといえます。
SAS患者さん全体の60%以上に「肥満」があるとされます。
これは体重増加により、のどに脂肪が蓄積し、気道が狭くなりいびきが起こります。
気道を狭くする原因
- 肥満により首が太く、気道を塞いでしまう
- 舌が大きく喉を塞いでしまう
- 顎が小さい
- 鼻の空気の通り道が曲がっている
- 扁桃が大きい
などがあります。
SASの症状
主な症状
- 日中の強い眠気
- 倦怠感
- 起床時の頭重感
- 気分の落ち込みなど
SASの重症度
SASの重症度は、AHI(Apnea Hypopnea Index)=無呼吸低呼吸指数で表し、一晩の睡眠を通して、1時間あたりの無呼吸や、低呼吸(呼吸が浅くなる状態)の頻度を測定し診断していきます。このAHIが5回以上認められ、日中の眠気などの自覚症状がある場合、SASと診断します。
- 軽症:5~15回
- 中等度:15~30回
- 重症:30回以上
とされています。
当院で行っている検査
血液中の酸素状態と脈拍数、呼吸の状態などを測定する機器を自宅に持ち帰って検査していただきます。装着は非常に簡単です。
検査結果はAHI(無呼吸亭呼吸指数)で表され、 一晩の睡眠を通して1時間あたりの無呼吸や低呼吸(呼吸が浅くなる状態)の頻度をもとに診断していきます。
治療
CPAP療法
AHIが40以上、SASの症状が明らかであれば、CPAP療法(持続陽圧呼吸療法)の対象となります。
CPAP療法は、CPAP装置からホース・マスクを介して、処方された空気を気道へ送り、常に圧力をかけて空気の通り道が塞がれないようにします。
CPAP療法は、検査を行い一定の基準を満たせば健康保険の適用になります。
その場合には、定期的(月1回)な外来受診が必須となります。
外来時に主治医と相談しながら、より良くCPAPを継続していただくことが重要です。
生活習慣の改善
SASを生活習慣の改善のみで根治させるのは難しいですが、軽減させることは可能です。
①減量
肥満が原因でSASになっている場合には効果があります。
②横向きでの睡眠
少しでも重量の影響を受けないように、体を横向きにして寝ると症状が軽減する場合もあります。
③アルコールを控える
アルコールは筋肉を緩める作用があるため、気道の閉塞が起こりやすくなります。
よってアルコールの飲みすぎは控えるようにしてください。